今回は新聞の記事で日本人男性の喫煙率が28.8%と初めて30%を切ったというのを見て、タバコと頭頸部癌の強い関連について書こうと思いました。
もともと50年以上前(1967年)の日本では男性の喫煙率は82.3%(女性は15.6%)でしたので、時代の変化をとても感じられます。私も子供の時(1980年代)はJR住道駅のプラットフォームでみんなタバコを吸っていましたし、長距離バスの肘掛けには灰皿があり開けると臭いのがすごい嫌だったです。サムネイルの画像も最近はあまり見かけない懐かしい感じですよね。
現在は喫煙率が男女とも20代の減少幅が最も大きく、逆に最も高いのが男女とも私と同年代の40代というのが愕然としました。
私自身は大学生の1,2年生で合コンと言っていた飲み会でカッコつけて?時々吸っていたくらいで、おいしさはあまり分かりませんでしたし、バスケットボールの部活動をしていたので吸い続けることはありませんでした。
タバコは全部の癌のなかで喉頭がんが一番関連しています。肺がんよりも高い関連率です。
喉頭がんというのは声を出したり、呼吸に大事な喉頭という場所にできる癌です。この声を出すところにできるため、「声がれ」の症状で見つかるため、早期で見つかることが多く、5年生存率も90%以上と高い数字を維持できています。また耳鼻咽喉科に関連する咽頭がんもタバコを吸うとリスクが上がります。またタバコは現在止めていても、以前に長い間喫煙していた方も全く吸ったことのない人よりはリスクが残ります。
日本以外でタバコを買うとパッケージにはとても衝撃的な写真が使われているものが多く、一例は私が以前に旅行したベトナムで撮影したものですが、とてもショッキングですよね。喉頭がんの手術をして、放射線治療もしたけど再発している写真なのですが、ネットで調べるとタイで販売しているタバコのパッケージにも同じ写真が使われていました。
耳鼻咽喉科の内視鏡検査で喉頭・咽頭のチェック、診断は負担も少なくできます。当院では早期の癌病変を見つけやすいNBI内視鏡を診断に用いています。
万が一がんがあっても、早期であれば失うものも少ないまま長く健康でいられます。
私は病変を早期で見つけて口の中からダメージを少なく治療できる手術の開発にずっと携わっていました。
「診療案内」の下の方にある神戸で行った市民公開講座の記事にも書いてあるので、時間があれば併せてお読みください。
喫煙者や元・喫煙者で声がれや喉の違和感が続く方は一度チェックしておくことを強くお勧めします。